最新研究が解き明かした!
医学博士が教える

認知症を引き寄せる
危険な3つの生活習慣とは?

【書籍無料キャンペーン実施中】

日頃の生活習慣を見直すだけで、
認知症を予防・改善できる可能性がある――。

近年の研究によって、こんな事実が浮かび上がってきた。

高齢化にともない、認知症患者の数は急増している。その数なんと600万人以上。65歳以上の高齢者の3人に1人が認知症かその予備群というデータもある。

大切な記憶が少しずつ失われ、人格が変わってしまう。単純な計算や日常動作ができなくなり、妄想・徘徊・暴言などを繰り返す。やがては家族の顔も、自分が誰なのかも分からなくなり、もうろうとしたまま寝たきりの最期を過ごす・・・。

こんなイメージのある認知症だが、決して大げさな表現ではない。できれば生涯認知症とは無縁のまま、人生の最後までハッキリと自分らしく過ごしたいというのは、人類共通の願いだろう。

最近、新潮社より「認知症にならない最高の習慣」という書籍が出版された。
それによると、認知症の発症には40代頃からの生活習慣が大きく関わることが分かってきたという。ようは、脳に悪い暮らしを長く送っている人ほど早くボケが始まってしまう、ということだ。

『認知症にならない最高の習慣』
山根一彦 著/新潮社/1,650円(税込)
全文無料公開中。詳細は後述

実際にアメリカでは生活習慣改善と栄養補給を中心としたアルツハイマー病の治療プログラムが開発され、大きな成果をあげている。特に早期の患者であれば、その改善率は9割にも達するというから驚きだ。

“認知症は予防も改善もできない”という常識が、医学の進歩によって少しずつ変わりつつある。「認知症にならない最高の習慣」著者であり、一般社団法人認知症協会理事の山根一彦医学博士に聞いた。

徳島大学大学院医科学教育学部卒。認知症協会代表理事。医学博士。行政に依頼されての認知症予防講演や介護施設の食事指導、認知症専門人材の育成、教材開発、認知症関連書籍の監修・執筆等を行う。著書・監修「認知症にならない最高の習慣」「認知症を防ぐ最高の食べ方」「新健康脳活ドリル」「健康!脳活点つなぎ」など。

――この度はご出版おめでとうございます。

ありがとうございます。

――今回書籍を出版された経緯を教えてください。

もともと私の所属する認知症協会は、認知症予防の出張講演を行っていました。主に自治体や介護施設からご依頼をいただき、たとえば大阪府枚方市の講演では、1200名以上の市民の方にお集まりいただいたこともあります。

ただコロナ禍で大規模な講演が難しくなったことをきっかけに、書籍やインターネットなどを通じた情報発信にも力を入れるようになりました。今回の出版はその活動の一環となります。

――日本人の平均寿命は伸び続けていて、2020年の調査によると、男性で81.6歳、女性で87.7歳です。こうなってくると、やはり心配なのは認知症です。年齢とともにリスクも上がる病気なので、その予防や改善については、関心を持たれている方も多いのではないかと思います。

そうですね。実際に問い合わせも急増しています。認知症患者の数は2020年時点で630万人と言われていますが、MCIと呼ばれる認知症の手前の方や、一人暮らしなどで医療機関にかかっていない、いわゆる”かくれ認知症”の方も含めると、現在ゆうに1000万人を超えると考えられます。

――1000万人!恐ろしい数字です。

自分が大丈夫でも、家族が発症する可能性もあります。統計的には、自分が60歳になった時、両親のどちらかはすでに認知症です。80歳になったら、自分か伴侶のどちらかは認知症になっている可能性が高い。もしそうでないなら運がいいと言えるくらいなのです。

すでに認知症を発症している人だけでも630万人以上。高齢者人口の増加にともない今後も加速度的に増加すると考えられる。

――もはや普通に生きていれば認知症との関わりは避けられない時代になってきた、ということですね。

ただ、認知症に関する研究も着々と進んでいます。たとえば認知機能が低下するスピードは人によってまったく違って、50代で認知症になってしまう方もいれば、100歳を超えてもまったく認知症になる気配がない方もいる。この違いはなぜ生まれるのだろうということで、大規模な調査が世界中で行われています。その結果が最近続々と発表されてきました。それで、認知症について「これは間違いないだろう」と言えることが増えてきたんです。

――たとえばどのようなことがわかったのでしょう。簡単にご解説いただいてもよろしいですか。

アルツハイマー病患者の脳にはゴミが溜まる、というのを聞いたことはありますか?

――聞いたことがあります。アミロイドβという物質が溜まって、それが悪さをするんですよね。

よくご存じですね。アルツハイマー病で亡くなった方の脳を解剖すると、多くの場合、表面にびっしりと灰色のシミが浮いています。このシミの正体がアミロイドβと呼ばれるたんぱく質です。病気の進行とともにシミも増えていくので、アルツハイマー病の発症にも大きく関わっているのではないかとみられています。ではこのアミロイドβは、認知症発症の何年前から溜まり始めるかご存じですか?

アルツハイマー病患者の脳に特徴的に見られるゴミの蓄積。
蓄積した部分はシミとなり、神経細胞が死滅して脳が萎縮してしまう。

――そうですね。アルツハイマー病はゆっくりと進行するイメージがありますので、10年前くらいでしょうか。

惜しい。25年前です。

――全然惜しくなかったですね(笑)

仮に70歳で認知症を発症するとすれば、40代半ばからそのタネは育ち始めているということになります。で、脳にゴミが溜まってしまう原因については色々と研究されていたのですが、どうやら毎日の生活のあり方、つまり生活習慣が大きく影響しているということがわかってきました。というのも、脳は次のような脅威にさらされた時に、アミロイドβを出すことがわかっています。

①炎症
②栄養不足
③毒素


これらはすべて、私たちが食べるものや触れるもの、運動や睡眠、ストレスといった要素に影響されます。常に体の中で炎症が起きていたり、脳の成長に欠かせない栄養が足りなかったり、日常的に毒となるものを摂取していたりする人は、どんどん脳がアミロイドβを作ってしまって、やがて認知症を発症してしまう可能性が高い、ということです。

メールでの相談に回答する山根氏。
認知症患者やその家族から毎日100件近いメッセージが届く。

――脳にゴミが溜まってしまう原因について、すでにそこまで明らかになっているとは驚きです。認知症を引き起こす生活習慣とは、具体的にはどのようなものでしょうか。

色々あります。分かりやすいのは過度のアルコールやタバコですね。それから生活習慣病である糖尿病も、認知症リスクを2倍に跳ね上げることが分かっています。しかしこれらはご存じの方も多いと思いますので、その他に意外なものを3つご紹介します。歯の手入れをあまりしない、深夜までテレビを見て夜更かし、浴室や台所がカビだらけ、です。

認知症を引き寄せる習慣①

歯の手入れをあまりしない

まず、歯と認知症の関わりについては、色々なところで叫ばれ始めています。2019年にはアルツハイマー病患者の脳のシミから、歯周病菌であるジンジバリス菌の痕跡が確認されました。

――脳の中に歯周病菌がいたということですか?

そうです。歯周病患者の歯茎から血流を通じて脳に菌が侵入し、慢性的な炎症を引き起こしていたものと推測されます。ちなみにマウスの実験だと、歯周病菌を感染させたマウスの脳内では、アミロイドβが10倍溜まっているというデータもあります。

歯の本数についても、認知症の方とそうでない方では明確な違いがあります。東北大大学院の研究グループの調査によると、「脳が健康な人」の歯は平均14.9本でしたが、「認知症疑いあり」と診断された人はたったの9.4本でした。また別の調査では、アルツハイマー型認知症の高齢者は、健康な高齢者に比べて、残っている歯の本数が平均して3分の1しかなかった、ということです。

――歯が少ない人ほど認知症になる傾向があるということですね。

このような研究結果は国外からも続々と報告されていて、もはや歯と認知症の関連は疑いようがありません。認知症を予防するためにも、「できるだけ口の中を清潔に保つ」「自分の歯をできるだけ残す」という意識で日々を過ごすことが大切です。毎回の食事の後に歯磨きをする。糸ようじを使う。虫歯があればすぐに治療し、そうでなくても保険が適用される3ヶ月に1回は歯医者さんにみてもらうことが大切です。

認知症を引き寄せる習慣②

深夜までテレビを見て夜更かし

――ふたつ目の深夜までテレビを見て夜更かしというのは?

睡眠と認知症の関係についても色々と分かってきています。たとえば12時を過ぎてもテレビをぼーっと眺めてダラダラ起き続けている人、こういうのはよくないですね。睡眠が6時間以下の人は、アルツハイマー病のリスクが30%上がることがわかっています。ちなみに一晩徹夜した後の脳では、通常の睡眠後の脳よりもアミロイドβが蓄積しているという報告もあります。

実は、睡眠は脳がアミロイドβを掃除するために必要な時間です。脳の神経系にはグリア細胞というのがあって、神経細胞の約50倍の数が存在します。このグリア細胞は脳の老廃物を食べてくれるのですが、その中にはアミロイドβも含まれます。グリア細胞は深い睡眠時にもっとも活発に働き、その効率は日中起きている時間の10倍から20倍です。つまりアミロイドβは、「私たちが起きている間に蓄積し、深い睡眠を取ることで除去される」というサイクルを繰り返しているんです。

――ということは、睡眠不足が続くと脳の掃除時間が短くなって、アミロイドβが溜まりやすくなってしまうということですね。私も布団に入ってからなかなか寝付けず、スマホを触っていたら深夜2時を回ってしまっている、なんてことがよくあります。

怖いのはそれだけじゃありませんよ。脳が睡眠不足になると、グリア細胞が正常に働かなくなり、脳の老廃物ではなく、なんと健康なシナプスを優先的に食べ始めてしまうのです。こうなるとグリア細胞までが脳を破壊する側に回るため、ますます認知機能が低下しやすくなってしまいます。

――それはなんとも、恐ろしい話です。ちなみに最適な睡眠時間はどれくらいでしょうか。

当然1日6時間以上は必要ですが、実は9時間以上でも認知症リスクは上がります。というわけで、適切な睡眠時間は1日7〜8時間ということになります。ただし、睡眠時無呼吸症候群や夜間頻尿がある場合、睡眠の質が低下してしまうため、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。

認知症を引き寄せる習慣③

浴室や台所がカビだらけ

――最後にカビが認知症リスクを高める、というお話ですが、これもちょっと意外です。

ぜひご自宅のお風呂場やキッチンを思い浮かべてみてください。黒っぽいカビが見当たりませんか?あるいはエアコンや加湿器からカビ臭い匂いがしませんか?こうしたカビが認知症の原因になる可能性も指摘されています。

カビは湿度と栄養があればどこにでも増殖し、空気中から私たちの体に入ってきます。それによって気管支喘息のようなアレルギー症状が出ることがありますが、それよりも厄介なのは、吸い込んだカビが体の中で増殖してしまうことです。肺で増殖するカビはアスベルギルス・クリプトコッカスなどがあり、それぞれ厄介な症状を引き起こします。そして実は、脳でもカビが増えることがあるんです。

――えっ、脳にカビが生えるんですか?

はい。先ほどのクリプトコッカスは、エサとして肺よりもむしろ脳を好みます。免疫力が低下している状態だと、吸い込んだカビが脳で増殖してしまうということが起こり得ます。

――脳がカビだらけになったら、当然認知機能にも影響が出てきそうですね。

さらにまずいことに、カビはマイコトキシンという毒素を出します。先ほどアルツハイマー病の原因のひとつに毒素があると言いましたね。このマイコトキシンは、体内では分解されずに残ります。残ったマイコトキシンは全身を巡って脳にも到達します。このとき脳はアミロイドβを出すことが分かっています。日常的にカビを体内に取り込んでいる可能性がある人は、アミロイドβが作られ続けてしまうので、今すぐ生活環境を見直したほうがいいですね。

――具体的にカビから身を守るためにはどうしたらいいのでしょう。

とにかく、家の中にカビを発生させないことが大切です。お風呂、キッチン、トイレ、結露しやすい壁や窓枠、冷蔵庫の中や自動製氷機、押入れの中など。それから今の生活ですと、マスクにも要注意です。マスクは湿度・温度ともにカビが発生しやすい条件が揃っています。一度使ったら必ず捨てるか洗うかして、常に清潔なマスクを使うようにしてください。

――私も両親が高齢なのですが、思い当たる点があるのでぜひ教えたいと思います。こうした生活習慣を何年、何十年と続けることで、脳にゴミがどんどん溜まって認知症を発症してしまうというわけですね。

その通りです。

初期認知症患者の9割が改善!
新しいアプローチに期待も

――すでに認知機能が低下してしまった人や、認知症を発症してしまった人がとれる対策はあるのでしょうか。

はい、希望を捨てる必要はありません。認知症を引き起こす原因がわかってきたことで、認知症医療に関してもかなりの進展が見られました。実際にアメリカで生活習慣改善と栄養補給を中心とした治療プログラムが開発され、大きな成果をあげています。

2021年に発表された臨床試験の結果では、認知機能に問題のある255人の高齢者に1年間治療プログラムを実施したところ、51%の方が改善し、23%の方も認知機能の低下がストップしたことが報告されました。慣れた道でいつも迷子になっていたような患者が劇的に回復し、職場復帰までされたケースもあります。

生活習慣全般にアプローチする治療法の登場で、目覚ましい改善を見せる患者もいる。

――薬を使わずに74%の方の認知機能が改善もしくは安定したと。それはすごいですね。

早期の方に限れば、改善率は90%にものぼります。しかもこの方法は生活習慣改善が中心となりますので、副作用がありません。知識さえあれば予防の段階からでも実践できますし、通常の加齢による記憶力低下にも有効です。当初は欧米を中心に広がっていましたが、最近は書籍が翻訳されたり、NHKで特集されたりして、日本でも実践者が増えてきました。

――具体的に改善に成功された方々はどのようなことをされているのでしょうか。食べているものや日々の生活様式など、具体的に知りたい方も多いと思うのですが。

これに関しては、ぜひ書籍をお読みいただければと思います。先日出版した「認知症ならない最高の習慣」では、認知症を引き起こす原因や、認知症を遠ざける食事・運動・睡眠などの生活習慣について、かなり詳しくご紹介しています。こちらを読んでいただければ、今日から認知症を遠ざける生活を始めていただけます。

――書籍はマンガパートと解説パートに分かれているのですね。非常に読みやすくて良いですね。

どうしても医学の話は敬遠されがちなので。少しでも面白く、敷居の低いものにしたいと思い、プロの漫画家さんにお願いしました。漫画だけでも概要は伝わりますが、解説と合わせて読んでいただくことで、より理解しやすくなるかと思います。

『認知症にならない最高の習慣』では、豊富なイラスト・マンガ付きで最新の認知症予防・改善法を学べる。

期間限定で全文無料で読める
キャンペーンを実施中

――現在こちらの書籍が無料で読めるキャンペーンを実施されているとうかがったのですが。

はい。定価は1,650円の書籍なのですが、すべて無料でお読みいただけます。認知症協会の公式LINEがあるのですが、こちらにご登録いただいた方には、特典として書籍をインターネット上で無料で公開しています。

――なぜ無料なのですか?

今回の出版はもともと営利を目的としたものではありません。認知症に関する正しい知識を、できるだけ多くの方に知っていただくことが重要であると考えました。書店で手に取っていただくことはもちろん嬉しいのですが、同時にインターネットで無料公開という形にすれば、ご自宅から出られない方にも気軽にお読みいただくことができます。

――公式LINEに登録すると、どのような情報が届くのですか?

認知症予防・改善に繋がる様々な知識や、生活上の知恵を、読みやすい分量で定期的にお届けしています。LINEで届く手軽な情報誌のようなものだと考えてください。もちろん読んでつまらなければすぐに解除していただけますし、お金も一切かかりません。空き時間に手軽に学べると、大変ご好評をいただいております。

最新の認知症予防の知識を学べる山根先生の公式LINE。
現在5万人以上が登録している。購読は無料

――山根先生は動画サイトのYouTubeでも発信をされているそうですね。

はい。やはり活字だとなかなか読みきれない、頭に入ってこないという方もおられますので。こちらは学校の授業形式にしています。といっても大学の講義のようなつまらないものにしたくないので、できるだけ専門用語は使わず、一般の方が見て面白くなるよう気を使っています。ありがたいことに、現在50000人以上の方にご登録いただいております。

公式LINEにご登録いただいた方限定で、「特別授業シリーズ」というものも無料で配信しています。こちらは認知症予防・改善のための基本的な考えを、数本の動画で学べるように制作したものです。1本あたりの動画時間は10分前後と短いですが、ポイントとなる部分を詰めこんでいます。

YouTubeで大人気の「山根先生の認知症予防・改善教室」シリーズ。
LINE登録者は限定公開の特別授業シリーズも無料で視聴可能。

――認知症について今わかっていることや予防や改善の方法について、無料でこれだけ学べるのは嬉しいですね。山根先生の熱意が伝わってきました。最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

認知症をただ恐れるのではなく、しっかり知識を入れて、できるだけ早いうちから対策を始めることが大切です。取り組みが早いほど予防や改善のハードルは低いですが、逆に一日遅れるごとに、改善率はどんどん下がっていきます。認知症の予防改善にはタイムリミットがあると考えていただければと思います。

――できるだけ早く取り組むことが大事ということですね。この度はありがとうございました。

ありがとうございました。

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